AIエージェントで学術論文から情報収集する
【注意】
今回の機能を活用するためには、多くのサービスにおいて有料プランへの加入が必要になると考えられます。
ChatGPTなどの「AIエージェント機能」を活用することで、単に情報を収集するだけでなく、複数の関連するタスクを自律的にこなしてくれます。
例えば、「ニューキノロン系抗菌薬とNSAIDsの併用は、どの程度注意すべきか」という情報を調査することを考えます。
通常の生成AIに対してこのプロンプトを入力・送信すると、学習データをもとに回答を生成してくれたり、Webから情報を収集して回答を生成してくれたりします。しかしAIエージェント機能を使う場合は、先ほどの質問に追加で指示をすれば、収集した情報をもとに見やすい形式のレポートを生成してくれたり、表形式でまとめてくれたりします。
さらにサービスによっては、完成したファイルをそのまま指定した場所にアップロードしたり、メールに添付して送信するところまで実行してくれたりします。
まさに、自分の代わりに複雑な作業をこなしてくれる相棒といったところでしょうか。
さて、前置きが長くなりましたが、実際に試してみましょう。
今回の目標は、先述の「ニューキノロン系抗菌薬とNSAIDsの併用は、どの程度注意すべきか」というレポートを作成してもらいます。
また、今回は、ChatGPT Agentを活用します。
用意するもの
①ChatGPT
個人プランの場合は、Plus以上の有料プランが必要です。
手順の解説
1. ChatGPTで「エージェントモード」を選択し、プロンプトを入力する
チャット欄の「+」をクリック(or タップ)し、「エージェントモード」を選択します。

選択できたら、以下のプロンプトを入力しましょう。
今回は、情報源を学術論文に限定し、各論文の要約もPICO形式でまとめてもらいます。
「ニューキノロン系抗菌薬とNSAIDsの併用は、どの程度注意すべきか」をまとめた資料を作成したいと考えています。そこで、公開されている学術論文の中から、上記のテーマに関して研究されているものを関連度の高いものから10個抽出し、それぞれの論文を「Patient(患者)、Intervention(介入)、Comparison(比較)、Outcome(結果)」の観点で定式化し、各論文の要約を出力してください。
その後、「ニューキノロン系抗菌薬とNSAIDsの併用は、どの程度注意すべきか」というテーマに関して、客観的事実に基づいて結論を出力し、レポートを作成してください。
なお、論文は下記Webサイトから探してください。
PubMed(米国国立医学図書館)
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/
J-STAGE(科学技術振興機構)
https://www.jstage.jst.go.jp/
Google Scholar
https://scholar.google.com/
入力できたら、プロンプトを送信します。
2. レポートが完成するまで、待つ

静止画なのでわかりづらいですが、実際は青い画面がリアルタイムで動いていますので、どのような作業をしているのかをモニタリングすることも可能です。
このように、ChatGPTのエージェント機能は、ChatGPTが「仮想ブラウザ」を動かしながら、実際に人間が操作するときと同じような操作で情報収集してくれます。
【補足】
今回は特に必要なかったのですが、例えば「Googleマップでルートを設計する」といったタスクの場合は、アカウントへのログイン操作が必要になることがあります。
このようなセキュリティに配慮されるべき操作は、エージェント側(ChatGPT側)で自律的に実行されず、ユーザーが操作を引き継いで実行するようになります。もちろん、ログインを拒否することも可能です。
そして今回完成したのが、こちらです。
約6分で完成させてくれました。
「時間の節約」「新たな発見」の観点から、有用な手段と考えます
この条件で人間が調査を実施すると、1日では終わらないかもしれません。しかし、AIエージェントは10分弱でタスクを完了させました。まさに「日単位でかかる作業を分単位に短縮できる」AIの活用例であり、学術論文で情報収集をする際の大幅な業務効率化が実現できます。
一方で、時間が短縮できても出力内容が正確であるかが確認できなければ意味がありません。よって、出力内容の最終チェックが必要になりますが、この最終チェックは人間が担うわけですから、結果的に「二度手間では?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、情報を一から探索して検証するより、提示された情報が正確かどうかをチェックする方が時間は節約できますし、この「ダブルチェック」によって新たな発見もあるかもしれません。「AIエージェントの出力が正確かどうかわからないから、使わない」ではなく、「少しでも時間を節約」「新たな発見」という観点から、私は積極的に活用した方が良いと考えます。
他にも「こんなことが実現できたらいいのに」と思ったら、試しに使ってみてください。