良い出力を得るためのプロンプト
最近の生成AIは、プロンプトに必要以上に気を使わなくても、概ね狙った通りの回答を出力してくれるようになっています。しかし、ポイントを押さえたプロンプトの記述の仕方を知っておくことで、より少ない試行回数で目的通りの成果物を得ることができるでしょう。
単刀直入に、ポイントを4つ
- なるべく具体的に、何を出力して欲しいのかを明確にする
- 質問に関連する背景情報を伝える
- 回答の長さも指定したい場合は、文字数を具体的に指定する
- 文体やフォーマットを指定したい場合は、具体例を1個〜2個記入する
このポイントを踏まえて、「ある患者さんのポリファーマシーを解決する良い方法」を出力してもらうことを目標にして、「飲んでいる薬を減らす提案がしたいです。」という、あまりにも簡潔すぎるプロンプトを少しずつ改善していきましょう。
1. なるべく具体的に、何を出力して欲しいのかを明確にする
ポリファーマシーを解決するための方法を出力してもらいたいので、ハッキリとその旨記載します。また、誰に対して提案するのか、どのような手段で提案するのかも併せて記載すると、より良い結果が得られます。そして減薬のための具体的なアイデアも付け加えて欲しいのであれば、それも記載しておきましょう。
今回は処方医の先生にトレーシングレポートを提出するケースで改善してみます。
改善前:飲んでいる薬を減らす提案がしたいです。
改善後:たくさんの薬を飲んでいる患者さんが服薬している薬の数を減らしたいと考えています。処方医の先生に減薬の提案をするためのトレーシングレポートを作成してください。また、下記の処方内容の情報から、減薬提案できそうな薬剤があれば、その薬剤名と判断に至った根拠も付け加えてください。
2. 質問に関連する背景情報を伝える
例えば患者背景、性格や主張、実際の処方内容の情報があるなら、付け加えるとより精度の高い回答が得られます。また、特に強調したい部分がある場合は、そのことも記載しておきましょう。
ただし、患者さんの住所や氏名の情報は絶対に入力しないように注意が必要です。
今回は試しに以下のケースを想定してプロンプトを改良します。
- 90歳男性
- 患者さんご本人は減薬の必要性を感じていない
- 飲み忘れや飲み間違いが頻繁に発生しており、健康被害のリスクが高い(最も強調したい)
上記に加え、先ほどの 1. で処方内容に言及したので、処方内容も付け加えます。
<以下情報を追加したプロンプト 変更部分は太字>
たくさんの薬を飲んでいる患者さんが服薬している薬の数を減らしたいと考えています。処方医の先生に減薬の提案をするためのトレーシングレポートを作成してください。また、下記の処方内容の情報から、減薬提案できそうな薬剤があれば、その薬剤名と判断に至った根拠も付け加えてください。
患者さんの情報は以下のとおりです。
年齢:90歳男性 背景:患者さんご本人は薬を減らしたいという意思がありません。しかし飲み忘れや飲み間違いが多発しており、健康被害のリスクが高い状況。
処方内容:<省略>
ただし、トレーシングレポート作成の際は「飲み忘れや飲み間違いが多発しており、健康被害のリスクが高い状況」という点を特に強調してください。
3.回答の長さも指定したい場合は、文字数を具体的に指定する
あまり文章が長くなるのはちょっと…という場合は、「本文は200文字以内で」「本文は200〜300文字で」というように文字数を指定すると良いでしょう。
今回は「本文は500文字以内で」という情報を付け加えます。あえて「本文は」と記載しているのは、後述するフォーマットを指定した際に、宛名部分なども文字数にカウントされてしまうことを防ぐためです。
<以下情報を追加したプロンプト 変更部分は太字>
たくさんの薬を飲んでいる患者さんが服薬している薬の数を減らしたいと考えています。処方医の先生に減薬の提案をするためのトレーシングレポートを作成してください。また、下記の処方内容の情報から、減薬提案できそうな薬剤があれば、その薬剤名と判断に至った根拠も付け加えてください。
患者さんの情報は以下のとおりです。
年齢:90歳男性 背景:患者さんご本人は薬を減らしたいという意思がありません。しかし飲み忘れや飲み間違いが多発しており、健康被害のリスクが高い状況。
処方内容:<省略>
ただし、トレーシングレポート作成の際は以下の条件を遵守してください。
・宛名などの部分を除いたレポート本文の文字数は、500文字以内としてください。
・「飲み忘れや飲み間違いが多発しており、健康被害のリスクが高い状況」という点を特に強調してください。
4.文体やフォーマットを指定したい場合は、具体例を1個〜2個記入する
普段自分が書いているメールなどの文体に可能な限り近づけたい場合は、普段の自分のメールの内容を具体例として挙げると良いでしょう。
しつこいようですが、その際に機密情報は絶対に入力しないように注意が必要です。
<以下情報を追加したプロンプト 変更部分は太字>
たくさんの薬を飲んでいる患者さんが服薬している薬の数を減らしたいと考えています。処方医の先生に減薬の提案をするためのトレーシングレポートを作成してください。また、下記の処方内容の情報から、減薬提案できそうな薬剤があれば、その薬剤名と判断に至った根拠も付け加えてください。
患者さんの情報は以下のとおりです。
年齢:90歳男性 背景:患者さんご本人は薬を減らしたいという意思がありません。しかし飲み忘れや飲み間違いが多発しており、健康被害のリスクが高い状況。
処方内容:<省略>
ただし、トレーシングレポート作成の際は以下の条件を遵守してください。
・宛名などの部分を除いたレポート本文の文字数は、500文字以内としてください。
・「飲み忘れや飲み間違いが多発しており、健康被害のリスクが高い状況」という点を特に強調してください。
なお、文章の書き方は下記の例を参考にしてください。可能な限り下記の例の文体に近くなるように出力してください。
例1:<自分が入力した文章の例 省略>
例2:<自分が入力した文章の例 省略>
これで完成です。
毎回これを入力するのはしんどい…という方は
今回のプロンプトが長い、毎回こんな内容を入力するのか、と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、お気に入りのプロンプトができたと思ったらメモに保存したり、各種生成AIのプロンプトをあらかじめ入力してカスタムする機能(ChatGPTで言うところのGPTs、Geminiで言うところのGem)を活用したりすることで、時間を短縮することが可能です。
また、出力そのままの内容で提出するのに問題があると思われた場合は、追加のプロンプトを入力しても良いですし、自分で手直ししても良いと思います。ここまで色々プロンプトの案を書きましたが、実際のところ1回の指示で意図した出力をしてもらえるとは限りませんので、より良い結果を得るために繰り返し試行することも大事です。
さらに、どうしても良いプロンプトが思いつかないのであれば、「◯◯を出力したいのですが、どのようなプロンプトにすれば良いでしょうか?」と生成AIに聞いてみるのも良いと思います。GPT-5を使う場合であれば、こちらでプロンプトを入力すると、改善されたプロンプトを出力してくれます。
生成AIにプロンプトを聞いてみることで、自分だけでは考え付かなかったアイデアを出力してくれるかもしれませんよ。
そして最後に、出力された結果を自分の目でチェックすることを忘れないようにしましょう。
画像生成の際のプロンプトエンジニアリング
こちらのnote記事に、簡単にポイントをまとめています。