アドバイス22:生成AIに任せると、かえって時間がかかることもあります
生成AIは業務を効率化するツールとして紹介されることが多いため、使えば必ず仕事が速くなるように感じるかもしれませんが、実際には生成AIに任せることでかえって時間がかかることもあります。
生成AIを「使うための作業」もあります
前提として、生成AIを業務で使う場合は、プロンプトを入力し、出力を読み、事実との整合性を確認し、必要に応じて修正する作業が必要になります。
ゆえに、自分自身が数分で完了させられるレベルの仕事を生成AIに任せると、指示の入力と修正にそれ以上の時間がかかる可能性があります。特に医療分野などの正確性が担保されるべき領域では、確認により多くの時間をかける必要が出てくるため、生成AIが短時間で回答したからといって業務全体が効率化できたとは限らないことに注意が必要です。
あえて生成AIを使わない、という選択も考慮しましょう
例えば、処方箋に記載されている薬剤、および患者さんの併用薬や既往歴等と照らし合わせ、処方内容に問題がないかをチェックするときに、生成AIを活用することを考えてみましょう。
処方されている薬剤の情報を入力(個人情報を含まないテキストや画像)して、相互作用について検証してもらうことになりますが、この要件でハルシネーションを含む出力がされて、内容をそのまま活用してしまった場合は、健康被害が生じる可能性があります。
ゆえに、このような用途で使用する場合は、添付文書を情報源にする(プロンプトで指示ではなく、明確に情報源として添付する)などして正確性を担保する必要があります…が、そこまでするのであれば、自分で添付文書を開いたり、レセコンや電子薬歴のチェックを参照した方が速くて正確なはずです。
これは私個人の見解ですが、100%の正確性が必要な用途で生成AIを活用するのは、「業務効率化」および「正確性の担保」の観点から、あまり積極的にはおすすめできません。
記事「アドバイス4:必ず生成AIを使わないといけないわけではありません」より一部引用
先ほどお伝えした通り、短い定型文の入力や手順が完全に決まっているような単純作業は、あえて生成AIを使わないほうが効率よくこなせることもあります。
加えて、上記の引用にも記載しているように、100%の正確性が必要な用途や入力ミスが重大な影響につながるような作業では、出力がその都度変化しうる生成AIを使うこと自体がリスクにつながるとも考えられます。
そのため、すべての業務に対して一律に生成AIを活用するのではなく、業務内の負担が大きい工程を整理し、かつ上記のようなリスクが低い作業を支援してもらう方が安全でしょう。
効率化以外の価値もあります
生成AIの価値は、時間を短縮することだけではありません。自分では思いつかなかったアイデアを得たり、文章を読みやすく変換したり、出力の内容をもとにスタッフ間で話し合うためのきっかけを作ったりすることもできます。
このような用途で活用するのであれば、結果的に業務効率化につながっていなかったとしても活用する意味があるといえるでしょう。
また、時間の短縮だけでなく、自分を含めたスタッフの負担を軽減するという目的を第一に考えても良いと思います。今まで負担になっていた作業を生成AIに代行してもらうことにより、肉体的・精神的に余裕が生まれるかもしれません。
今回のまとめ
