アドバイス21:うまく使えなかったとしても、失敗ではありません
「生成AIを使ってみたものの、期待していたような回答が返ってこなかった」という経験をされたことがある方も多いのではないでしょうか。実際、ChatGPTをはじめとした生成AIは、その「凄まじい性能」がアピールされる傾向があるため、自分が思った通りの回答が得られなかったときに期待外れだと感じてしまい、「自分には向いていないかも」「全然使えない、やっぱりAIはダメだ」と考えて、そのまま使うのをやめてしまった方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、意図した出力が得られなかったこと自体は、決してバグでも失敗でもありません。
生成AIの回答は、毎回同じとは限りません
以前のアドバイスでもお伝えしましたが、生成AIは同じプロンプトを入力しても、毎回少しずつ異なる回答を返すことがあります。つまり、一度うまくいかなかったとしても、複数回トライしたり聞き方を少し変えたりするだけで、良い回答が返ってくることもあるのです。
特に、自分が求めている回答に近づけたいなら、プロンプトの内容を具体的かつ正確な指示にすることが重要です。
たとえば、ポリファーマシー解消を目的としたトレーシングレポートを作成することを考えます。
単に「飲んでいる薬を減らす提案がしたいです。」と提案した場合、とりあえず一般的かつ無難な文章の例が出力されるでしょう。
しかしポリファーマシーの解消にあたっては、まず薬を減らすべきなのかどうかから検討し、減薬の必要があるならば患者さんごとに異なる背景情報(現病歴・既往歴、検査値、アドヒアランス、実際薬が多くてどう困っているのか、など)を丁寧に記述したうえで提案する必要があるため、一般的で無難な文章では不適切です。
ゆえに、プロンプト中に具体的な情報を追加したり、自分らしい文章にしたいなら具体例を1〜3個付け加えたりして、個別化されたトレーシングレポートにする必要があります。
具体的なプロンプトの改善については、以下のページにも記載していますので、お時間がある方は目を通してみてください。
100点満点の回答を期待しない
例えば、明確にYesかNoのどちらかで回答できるような質問であれば、生成AIは100点満点の回答を出してくれる可能性が高いです。一方で、現実の調剤薬局で多発する「回答がひとつに定まらない」「人によって意見が割れる」「ルールが不明瞭」なタスクで生成AIを活用した場合、生成AIに100点満点の回答を期待してしまうと、おそらく「使えない」という評価になるでしょう。
生成AIが確率的に最も確からしい出力をする仕組みである以上、常に完璧な回答を生成できるわけではありません。ゆえに、生成AIを完璧な回答を出すためのツールと考えるのではなく、具体的なアイデアや選択肢を提示してもらうためのツールとして活用するほうが適切です。
後者のように活用することによって、自分たちだけでは思いつかないようなアイデアを提示してくれることもありますし、そこからさらに内容を深堀りすることで新しい知識を増やせるかもしれません。
それに加えて、生成AIが提示してくれたアイデアについてスタッフで話し合うようにすれば、スタッフ間のコミュニケーションのきっかけにもなります。

今回のまとめ
生成AIが自分の考えた通りの回答をしてくれないと思っても、それはバグでも失敗でもありません。もし思った通りの回答が得られなかったのであれば、再度質問してみたり、プロンプトを工夫してみたりすることで、良い回答に近づくかもしれません。
また、生成AIに100点満点の回答を求めないようにしましょう。
「生成AIはあくまでアイデアや選択肢を提示してくれるツール、最後は自分の責任で決定する」という適切な距離感を持つことが大事です。