アドバイス20:生成AIとの対話が、不特定多数に見られるわけではありません
調剤薬局で生成AIを使うときの不安要素として、「生成AIに入力した内容は、インターネット上で公開されてしまうのではないか」「患者さんの相談内容を書いたら、誰かに見られてしまうのではないか」といった疑問を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。
このような疑問を持つことは大事で、特にセキュリティに関して最大限配慮が必要な現代においては無視できない部分になります。ただ、一般的な生成AIサービスでは、ユーザーと生成AIの会話がそのまま不特定多数に公開されるような仕組みにはなっていません。SNSの投稿のように、誰でも閲覧できる形で公開されるわけではないのです。
ゆえに、生成AIとのチャットの内容が誰かに評価されるわけではありませんので、「それぐらい自分で調べたらいいのに」「そんなことも知らないの?」などと言われてしまうこともありません。安心して質問しましょう。
ただ、完全に保存されないわけではありません
先述の通り、多くの生成AIサービスにおける会話は基本的にユーザーとサービス提供者のシステムの間で処理されるだけなので、意図的に外部に共有するという行動をしない限りは、生成AIに質問した内容がそのままインターネット上の誰かに見られてしまうということは基本的にありません。
ただし、チャットの内容が保存されないわけではないということに注意が必要です。
例えばChatGPTを例に上げると、品質改善や安全対策のために、入力されたデータが開発側のログとして保存される可能性があります。そして、場合によってはサービス改善のために、人間のレビュアーが一部の会話を確認する可能性もあります [1] 。
一言でまとめると、SNSのように誰でも見られるわけではありませんが、サービス提供者側のシステムでは保存・分析される可能性があるということになります。

ゆえに、個人情報や機密情報の入力は避ける必要があります
例えば、一般的に外部に公開すべきでない以下のような情報は、生成AIに入力すべきではありません。
- 患者さんの個人情報全般
- 患者さんの具体的な既往歴や現病歴、処方内容
- 個人が特定できるような相談の内容
- 調剤薬局内の機密情報(社外秘など)
このような情報は、実際に悪用されたかどうかにかかわらず入力した時点で情報漏洩になります。
患者さんを始めとしたステークホルダーに多大な迷惑がかかるだけでなく、信頼関係が壊れることになります。不特定多数に見られないからといって、このような情報を入力することは避けましょう。
参考資料
[1] OpenAI「Data Usage for Consumer Services FAQ」
https://help.openai.com/en/articles/7039943-data-usage-for-consumer-services-faq