アドバイス1:生成AIを使うのは、悪ではありません

薬剤師は医薬品の専門家ですから、「医薬品のことは知っていて当然」と認識されていてもおかしくはありません。一方で、「医薬品に関するの全ての知識が頭の中に入っている」薬剤師は、おそらく現実世界には存在しないでしょう。

実際、調剤薬局には「医薬品集」が配置されていたり、インターネットに接続できる端末が存在していたりします。何かを調べる必要が出てきたらこれらのツールを活用して調べるわけですが、最近は生成AIの登場により、医薬品集やインターネットで検索する代わりに生成AIに質問する人も増えてきたのではないでしょうか。

ただ、これは私個人の経験ですが、「正確かどうかも分からない生成AIを使うのは良くない」「生成AIに頼る薬剤師は、薬剤師と言えるのか」といった、否定的な意見も耳にしたことがあります。

これらの意見は、間違っているとは言えません。確かにこのようなリスク自体は十分考えられます。

では、生成AIを活用するのは悪いことなのか

結論から申し上げると、そんなことはありません。
医薬品と一緒で、生成AIの活用も「用法・用量」を守れば、頼もしいパートナーとして活躍してくれます。

インターネットで情報を調べるのと、イメージは同じ
Gemini 3 Proで生成

インターネット上で添付文書もインタビューフォームも学術論文さえも閲覧できる時代ですから、医薬品集を開く前にインターネットで情報収集をする方も多いと思います。

生成AIを活用して情報収集する仕組みは、ある意味インターネットでの情報収集のステップをものすごく圧縮したようなイメージです。どういうことかと言いますと、普段インターネットで情報収集するときは、ある特定の情報源だけを確認することもあれば、さまざまなWebサイトを巡ることもあるかと思います。ただ、いずれの場合でも最終的には自分の中で「ひとつの結論」にまとめると思います。

一方、一般的な生成AIの場合は、膨大な学習データから質問に最適な回答を「確率的に」計算し、瞬時に要約して提示する仕組みです。インターネットで複数のサイトを巡り、情報を統合して結論を出すプロセスを、目にも止まらぬスピードで代行してくれるようなイメージです。
(もう少し技術的な仕組みにご興味がある方は、こちらをご覧ください)

どんなにベテランの薬剤師でも、何らかの手段で分からないことを調べることはあるはずです。
生成AIで情報収集することは、手段が変わっただけで、インターネットでの情報収集と本質は同じです。

だから、回答の内容のチェックは必要
Gemini 3 Proで生成

インターネットで情報収集するときは、その情報が正しいかどうかを検証しながら情報収集するはずなので、内容がまとまって「ひとつの結論」が出た場合は、その内容は十分検証されていると言っていいでしょう。

一方、生成AIの場合は少々事情が異なり、回答の出力までの過程で正しいかどうかのチェックを人間が行うことができないことと、確率的に次の単語(厳密にはトークン)を予測しながら文章を生成するため、出力された回答が正しいという保証はありません。
これが「正確かどうかわからない生成AIを〜…」と言われる理由です。

ただ、この点に関しては最終的に人間が回答をチェックすれば解決できます。
調剤されたお薬類を監査するのと同じで、人間の目で回答を「監査」するステップを必ず設けましょう。


今回のアドバイスのまとめ

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