ChatGPTの「お勉強モード」
ChatGPTには「あらゆる学びをサポート」する機能が存在します。ちょっと長いので、誠に勝手ながら本記事では「お勉強モード」と呼ばせていただきます。
使い方は簡単で、チャット欄下部のメニューから「あらゆる学びをサポート」を選択するだけです。

そもそも通常のチャットと何が違うのか
例えば、以下の質問をした場合を考えます。
ヒトの体は外界の環境や、内部の変化に対して常に生命維持に必要な生理的な機能を正常に保とうとする機構を備えていますが、この仕組みをなんと言いますか?
通常のチャットであれば、以下のような回答をしてくれます。
この仕組みを「ホメオスタシス(恒常性)」と言います。
ホメオスタシス(homeostasis)は、身体の内部環境を一定の安定した状態に保つための生理的な調節機構です。具体的には、体温調節、血糖値調節、体液の浸透圧調節、血圧調節などがあり、これらのバランスが崩れると、体は元の状態に戻そうと反応します。
簡潔に回答を出力してくれました。
一方、お勉強モードで回答してもらうとどうなるのかみてみましょう。
とても良い質問ですね!
ヒトの体が外界の変化や体内の変化に対して、体温・血糖・血圧・水分量などを一定に保とうとする仕組みを何というか――
この仕組みは、ずばり:
ホメオスタシス(恒常性)
と呼ばれます。
—
ではここで確認です。
👉「ホメオスタシス」が働いている例として、暑い日に汗をかくのはどんな理由からでしょう?
ちょっと考えてみてください。
回答の雰囲気が学生向けになったような感じがありますが、ポイントはそこではありません。
このモードでは、回答を出力するだけではなく、回答の内容に関して知識を深めたり定着させたりするために、追加で質問者に対して質問してくれます。
上記の例では、「『ホメオスタシス』が働いている例として、暑い日に汗をかくのはどんな理由からでしょう?ちょっと考えてみてください。」とアプローチしてくれていますね。
実際に「暑いと体温が上がるので、体温を下げるためでしょうか。」と回答すると、
そのとおりです!とてもよく理解できています。
✔ 暑い →
✔ 体温が上がる →
✔ 汗をかく(汗が蒸発して熱を奪う) →
✔ 体温を下げて一定に保つ
これが「ホメオスタシス(恒常性)」の働きの一例です。
—
では、もう1つだけ確認させてください。
今度は「寒いと震える(ふるえる)」のは、ホメオスタシスとどう関係していると思いますか?
あなたの言葉で説明してみてください。
解説+新たな質問を提供してくれます。
もし答えがわからなくても、正直にわからないことを伝えたり、ヒントが欲しいことを伝えたりすると、丁寧に対応してくれます。
自分で考えてもわからない時に、ChatGPTのお勉強モードを活用することによって、より知識を深めることができそうですね。
お勉強モードを使う時の注意事項
さて、この便利なお勉強モードですが、特に注意しなければならないことがあります。
なんとなく予測がつくかもしれませんが、生成AIが誤った回答を正解であるかのように出力する、ハルシネーションに注意が必要です。
知識を深めるモードではありますが、ChatGPTが提供する情報に誤りがあると、質問者が誤った知識を習得することになってしまいます。
私は普段から、「生成AIの出力結果は人間が責任を持って確認するようにしましょう」と言っていますが、お勉強モードに関しては、そもそもテーマに関する知識がまだ定着していない状態で使用すると思われるため、正しい回答なのかハルシネーションなのか、使用者だけで判断するのは難しいかもしれません。
どう対策したら良い?
出力内容の部分を、改めてChatGPTのWeb検索機能(もしくは他のサービスでも良いです)でファクトチェックしてもらっても良いのですが、学習の効率を上げるためには、そもそもハルシネーションを減らすアプローチをした方がよいと考えられます。
そこで、ChatGPTの「プロジェクト」機能が役に立ちます。
ChatGPTのメニュー左側の「プロジェクト」メニューの「プロジェクトを新規作成」から作成することができます。

名前を入力して「プロジェクトを作成する」を選択すると作成完了ですが、歯車マークを選択すると、

このようなメニューが出てきます。
厳格にプロジェクト内の指示・情報だけで運用したい場合は、「プロジェクトのみ」を選択しましょう。
これでプロジェクトの作成は完了ですが、追加で指示や資料を与えたい場合は、「ファイルを追加する」から資料をアップロードしたり、右上の3点リーダマークから「指示を追加する」を選択すると、カスタム指示(どういった内容の回答をして欲しいか、どういった雰囲気がいいかなど)を指定することも可能です。
この機能は、プロジェクトページ内に自分の信頼できる情報源をアップロードし、その情報源をもとに回答してもらえる、いわゆる「RAG」と呼ばれる技術が活用されています。
このプロジェクト内でもお勉強モードが選択できますので、信頼できる情報源や資料があって、プロジェクトページにアップロードすることが可能なのであれば、それをあらかじめアップロードしておけば、ハルシネーションを減らすことが可能です。
ただし資料をアップロードする際は、必ず個人情報や機密情報が含まれていないことを確認してからアップロードするようにしましょう。
ChatGPTを「学習アシスタント」にしてみては
先日の記事で、「ChatGPTに答えを聞いてそのまま引用する」ことの是非について書いてから、割とすぐにこの機能がリリースされていたので、個人的にはタイムリーでした。
この機能を活用することでも解答は教えてもらえますが、その解答に至るまでのプロセスやより詳細な知識、さらに質問の仕方によっては関連する周辺知識なども学ぶことができます。しかも24時間365日、いつでも質問できるのです。
大人の方も子供の方も、この機会に是非、ChatGPTのお勉強モードを「学習アシスタント」にしてみてはいかがでしょうか。