AI生成コンテンツ活用時の著作権・ガバナンスチェックリスト

「AI生成画は著作物」、無断複製の疑いで男を書類送検へ…千葉県警が全国初の摘発

こちらの2025年11月20日の報道の通りですが、千葉県警察が、Stable Diffusionを用いて生成された画像を無断で複製し、書籍の表紙として使用したとして、神奈川県大和市在住の27歳男性を書類送検する方針を固めたと報じられています。

こちらの報道によると、以下の内容が記述されています。

男性は読売新聞の取材に「プロンプトは2万回以上だった」と話している。県警は、男性が詳細に指示し、作り出された画像を確認しながら指示の修正も繰り返していたことなどから、最終的に生成された画像が著作物に当たると判断した。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20251120-OYT1T50016/” より一部引用

この「プロンプトは2万回以上だった」という発言は、おそらく2万回以上の微調整を経て画像が完成したという解釈で良いと思うのですが、文化庁の「AIと著作権に関する考え方について」内では、以下のような記述が存在します。

例として、著作物性を判断するに当たっては、以下の①~③に示すような要素があると考えられる。

① 指示・入力(プロンプト等)の分量・内容
✓ AI生成物を生成するに当たって、創作的表現といえるものを具体的に示す詳­細な指示は、創作的寄与があると評価される可能性を高めると考えられる。他方で、長大な指示であったとしても、創作的表現に至らないアイデアを示すにとどまる指示は、創作的寄与の判断に影響しないと考えられる。

② 生成の試行回数
✓ 試行回数が多いこと自体は、創作的寄与の判断に影響しないと考えられる。他方で、①と組み合わせた試行、すなわち生成物を確認し指示・入力を修正しつつ試行を繰り返すといった場合には、著作物性が認められることも考えられる。

③ 複数の生成物からの選択
✓ 単なる選択行為自体は創作的寄与の判断に影響しないと考えられる。他方で、通常創作性があると考えられる行為であっても、その要素として選択行為があるものもあることから、そうした行為との関係についても考慮する必要がある。

文化庁『AIと著作権に関する考え方について』
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/chosakuken/pdf/94037901_01.pdf” p. 39-40 より一部引用

つまり、2万回のプロンプトで修正を加えたこと自体が重要なのではなく、その過程で男性の創作的な工夫や選択が十分に入り込んで、それが認められる状況であるならば、著作物としての要件を満たす余地があるということでしょう。

今後の裁判の結果によっては「AIの生成した画像が、人間の著作物として認められた」という前例になる可能性があります。過去の判例がない中で、プロンプトの入力回数や指示の具体性が「どの程度人間の創作的な表現と見なされるのか」という、ひとつの基準になるかもしれません。

そこで、AI生成コンテンツ活用時のチェックリストを作成しました

先述の通り、今後は生成AIでメディアを作成する場合、「誰が、どのように(具体的なツールなど)、どれくらい関与したか」という制作の過程の説明責任が求められるようになるかもしれません。

調剤薬局においても、AIを活用して資料・情報誌・広報誌などを作る機会が増えるかもしれませんが、AIを実際に使用した部分の透明化だけでなく、完成までの具体的なプロセスを残しておくと将来のリスク低減につながると考え、「調剤薬局におけるAI生成コンテンツ活用時の著作権・ガバナンスチェックリスト」を作成しました。

「調剤薬局におけるAI生成コンテンツ活用時の著作権・ガバナンスチェックリスト」は、以下のような目的で活用できます。

Googleドキュメントで作成しています。こちらからどうぞ。

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